サイト売買コラム

  • 売り手目線

【サイト売買】アフィリエイトサイトの売却相場は?

この記事のポイント

ニーズが高いジャンル・SEO対策を行っているアフィリエイトサイトは買い手から良い評価を受ける!

執筆者:和家 智也

サイト売買ではさまざまな種類・ジャンルのWebサイトが取引されていますが、中でも特にアフィリエイトサイトは高値で売買される傾向にあります。しかし、アフィリエイトサイトであれば、どのようなサイトでも高く売却できるというわけではありません。

本記事では、サイト売買の売却相場や、高値で売却できるアフィリエイトサイトの特徴について解説します。

サイト売買とは

サイト売買とは、個人や法人が運営するWebサイトの所有権を売買することです。Webサイトそのものを売買する方法もあれば、一部のコンテンツのみを売買する方法もあり、取引の内容はさまざまです。

また、サイト売買では情報サイトやECサイトなど幅広いカテゴリーが取引されていますが、中でも収益を上げているアフィリエイトサイトは高値で売買される傾向にあります。

サイト売買の売却相場

サイト売買で最も気になるのが、売却相場です。特に、自分が運営するサイトの売却を検討している人にとっては、「いくらで売れるのだろうか」と気になっている人も多いでしょう。

サイト売買では、一般的に次のような要因のもと取引価格が決められます。

・Webサイトのジャンル
・PV数
・検索順位
・売上
・コンテンツの質
・デザイン性

また、上記のポイント以外にも買い手側のニーズなどによって取引価格が左右されるため、サイト売買の取引価格はまさにケースバイケースです。

サイト種類別の売却相場

サイト売買の売却相場は、Webサイトの種類によっても大きく異なります。ここでは、アフィリエイトサイトとECサイトの売却相場の目安を紹介しましょう。

(1)アフィリエイトサイト

アフィリエイトサイトの売却相場は、「月間利益の12~24ヶ月分」といわれています。

サイトレードでも多くのアフィリエイトサイトの売買を取り扱っています。下記でその一例を紹介しましょう。

サイトの概要営業利益売却価格 
定額プリンターのレンタルサービスに関する比較サイト100,000円 2,800,000円
芸能・番組・人物・スポーツ・政治・商品などの話題を記事にしたトレンドブログ215,000円 3,440,000円
コスメ・グルメ・ファッションなどの女性向け情報発信メディア200,000円 5,000,000円

女性向け情報発信メディアではPVと売上が減少傾向にあったものの、公式SNSの総フォロワーが15万人にものぼり、SNSアカウントも含めて譲渡対象となっていたことから、高値での売買が成立しました。

 (2)ECサイト

ECサイトの売却相場は、「月間利益の24~36ヶ月分」です。

下記表で、サイトレードで取り扱った事例を紹介しましょう。

サイトの概要営業利益売却価格
ゲーム機器販売を取り扱うeBayアカウント950,000円 8,800,000円
高級ブランドのドレス・ワンピース通販サイト500,000円 12,000,000円
オリジナルブランドシャンプー専門通販会社 400,000円 12,000,000円

ECビジネスでは、自前のECサイトだけでなくECプラットフォームのアカウントも売買の対象となっています。上記で紹介したeBayのアカウントは、すでに多くのユーザー評価やリピーターがついていたことから、高値への売却へと至りました。 

高値で売却できるアフィリエイトサイトの特徴

高値で売却できるアフィリエイトサイトには、次のような特徴があります。

・収益力がある
・ニーズが高いジャンルである
・SEO対策がされている
・直近までサイト運営を継続している
・アフターサービスが充実している
・運用マニュアルが整備されている

それぞれくわしく解説していきましょう。

(1)収益力がある

安定した収益を上げているWebサイトは、買い手が運営を引き継いだあとにすぐに収益を上げられる期待があります。買い手側で「すぐに投資資金を回収できそうだ」と判断してもらえれば、高値で売却されることも珍しくありません

アフィリエイトサイトは収益を目当てとしている買い手も多いため、収益力の高さは特に重視されるポイントです。

(2)ニーズが高いジャンルである

アフィリエイトサイトには、美容や健康、金融、教育などさまざまなジャンルがあります。高値で売却されやすいのは、次のような特徴があるジャンルです。

・流行やトレンドに左右されにくい
・多くの人が関心を抱きやすい
・専門性が高すぎない

上記のような特徴に当てはまるジャンルは、検索ニーズが高く安定した収益を狙うことができるため、サイト売買でも高値で売却される傾向にあります。

(3)SEO対策がされている

アフィリエイトサイトにとって、SEO対策は欠かせないポイントです。「検索順位が上位にランキングされる記事が多い」などSEO対策に成功しているサイトは、収益力の高さにも直結します。

買い手側は売買後に大掛かりな手直しを行う必要がないため、手間をかけずに収益を上げられるメリットがあります。

(4)直近までサイト運営を継続している

サイト売買では、直近の運営状況も大切なポイントのひとつです。

長い間放置しているサイトを売りに出すことも可能ですが、買い手側にとってみると「購入後のメンテナンスに手間がかかりそうだ」という印象を与えてしまいかねません。

その点、直近まで運営が続けられているサイトは、きちんと情報の更新が行われていることから高値で売却されやすくなります。

(5)アフターサービスが充実している

サイト売買は、ただWebサイトを譲渡して終わりではありません。特に買い手にとっては、サイトを譲り受けた後に疑問点が生じることの方が多いでしょう。

そのため、売却後も一定期間サポートを行うといったアフターサービスが充実しているサイトは、買い手からの信頼感を得やすくなります。

(6)運用マニュアルが整備されている

サイト売買では、サイト運営の引き継ぎやすさも重視されるポイントです。どれだけ魅力的なサイトでも、買い手が運営を再現できなければ意味がないためです。

たとえば、運営マニュアルが整備されており、誰でも運営しやすいように体制が整えられているサイトは高値がつく傾向にあります。

売却されにくいアフィリエイトサイトの特徴

一方、次のようなアフィリエイトサイトは売却されにくい傾向にあります。

・収益がゼロ
・サイトの運営期間が短い
・属人性が高い

ひとつずつ確認していきましょう。

(1)収益がゼロ

買い手がサイト売買を行うのは、「収益化までのステップを省略したい」というニーズがあるためです。そのため、収益化に至っていないサイトはどうしても買い手から敬遠されてしまうでしょう。

ただし、収益化ができていなくても今後の伸びしろが認められる場合は、買い手がつくケースもあります。

(2)サイトの運営期間が短い

サイトの運営期間が短い場合も、買い手から敬遠される傾向にあります。どれだけ売上を上げているサイトでも、運営期間が短いと「現在の売上が一過性の要因によるものか」という判断がつきにくいためです。

提示した数字やデータの信頼性を高めるためにも、サイト売買では一定の運営歴が必要となります。

(3)属人性が高い

属人性が高いサイトも、売却されにくいサイトのひとつです。属人性が高いサイトは、買い手が運営を再現しにくく、引き継ぎ後にユーザー離れを起こしてしまう懸念があるためです。

そのため、アフィリエイトで高い収益を上げているサイトでも、専門性が高すぎるジャンルなどは買い手から敬遠されやすくなります。

アフィリエイトサイトの売却事例

サイトレードでは、これまで多くのアフィリエイトサイトの売買を取り扱っています。ここでは、その一例を紹介しましょう。

【事例1:情報まとめ配信サイト】
iPhone・パソコン周辺機器の情報まとめ配信サイトの売買
https://site-trade.jp/selllist/230103pcg/

本事例は、iPhone・パソコン周辺機器の情報まとめ配信サイトの売却です。すでに4年の運営歴があり、安定したPV数とアフィリエイトによる収入を上げていたことが大きなポイントでした。

また、属人性が低くサイト運営の引き継ぎが容易であったことや、外注のライター紹介が可能であった点も買い手から高く評価されたポイントです。

【事例2:情報ポータルサイト】
子育て情報専門(教育・受験・やる気・塾選び・しつけ)情報ポータルサイトの売却
https://site-trade.jp/selllist/200701kid/

本事例で売買されたのは子育てや教育記事中心のブログ型ポータルサイトで、受験対策情報や塾の選び方、子供のしつけに関する情報など、幅広いテーマを取り扱っていました。

教育に関する分野はトレンドや流行りの影響を受けにくいため、安定して集客が見込めるのが大きなポイントです。

また、本事例のサイトは広告費をかけずに自然検索による流入のみで集客に成功していたのも、買い手から高く評価を受けた点でした。

【事例3:比較まとめサイト】
定額プリンターレンタルサービスの比較まとめサイトの売買
https://site-trade.jp/selllist/220709prr/

本事例で売却されたのは、定額プリンターレンタルのサービスの比較まとめサイトです。月間PV数は300~500とそれほど多くないものの、確度の高いユーザー流入が多かったことから安定した利益を稼いでいるサイトでした。

今後もリモートワークの定着でプリンターレンタルの需要増加が見込まれることから、高値での売却につながりました。

まとめ

サイト売買の売却相場はケースバイケースですが、利益を上げているアフィリエイトサイトは高値で売却されることも珍しくありません。特にニーズが高いジャンルや、SEO対策を行っているサイトは、買い手から良い評価を受けやすいといえます。

将来的にアフィリエイトサイトの売却を検討している方は、ぜひ本記事で紹介したポイントをサイト運営に活かしてみましょう。

執筆著者 和家智也(わけともや)

執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事

筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる