サイト売買コラム

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サイト売買のメリット・デメリットとは?買い手・売り手別に解説

この記事のポイント

納得のいく取引にするため、サイト売買前にデメリット・相場感・手数料を理解しておくこと!

執筆者:和家 智也

近年、活発に行われているサイト売買。買い手・売り手双方にメリットがあることから、取り組みを検討している人も多いかもしれません。

本記事では、サイト売買のメリット・デメリット、相場感や手数料について解説します。

Contents

サイト売買とは

サイト売買とは、個人や企業が運営するWebサイトを対象に売買する取引のことです。サイト売買では企業のM&Aの手法が用いられることが多いため、「サイトM&A」といわれることもあります。

M&Aと聞くと企業間の取引であるように感じられますが、サイト売買では個人が買い手・売り手になることも珍しくありません。

【買い手側】サイト売買のメリット・デメリット

サイト売買の買い手は、資金を支払うことでWebサイトの運営権を譲り受けます。まずは、買い手側のメリット・デメリットについて確認していきましょう。

【買い手側】サイト売買のメリット

サイト売買の買い手側のメリットは、主に次の5点です。

・すでに収益化しているWebサイトを購入できる
・既存事業へのシナジー効果が期待できる
・サイト構築の手間を省略できる
・新規参入のリスクを低減できる
・事業成長の加速につながる

(1)すでに収益化しているWebサイトを購入できる

サイト売買では、すでに収益化しているWebサイトを購入することができます。そのため、買い手側はサイト構築の手間がかからず、すぐに収益を得られるメリットがあります。

(2)既存事業へのシナジー効果が期待できる

既存事業と関連性のあるWebサイトを購入することで、双方にシナジー効果が期待できる点も大きな魅力です。たとえば、自社でサプリを取り扱う会社の場合、健康情報を取り扱うメディアを買収することで、自社への流入を期待できるメリットがあります。

(3)サイト構築の手間を省略できる

サイトの構築には多くの手間暇がかかります。もしサイトの作成を外注する場合は、その費用もかかるでしょう。

その点、サイト売買ではすでに完成されたサイトを引き継げるため、サイト構築にかかる手間やコストを省略することができます。

(4)新規参入のリスクを低減できる

新しくサイトを立ち上げる場合、「集客に苦労してなかなか収益を得られない」ということも少なくありません。一定期間収益が見込めないとなると、新たな市場への新規参入がためらわれることもあるでしょう。

しかし、サイト売買では軌道に乗っているサイトを購入できるため、新規参入のリスクを低減しながら新たな事業に取り組めるメリットがあります。

(5)事業成長の加速につながる

サイト売買は、既存の事業の成長を加速できる点も大きな魅力です。通常、サイトの立ち上げから収益化には一定の期間が必要となりますが、サイト売買では安定した収益を得られる状態でサイト運営をスタートできます。

もし既存事業と親和性の高いサイトを購入できたら、メディア立ち上げ期のステップを省略しながら迅速に事業拡大を図ることが可能です。

【買い手側】サイト売買のデメリット

一方で、買い手側には次のようなデメリットもあります。

・サイト買収にまとまった費用がかかる
・サイト運営にリソースが必要となる
・同じ収益を維持できるとは限らない
・買収したサイトに手を加えることが難しい
・詐欺などのトラブルに注意が必要

(1)サイト買収にまとまった費用がかかる

サイト売買はWebサイトを対象とした売買取引ですので、購入時にはまとまった費用が必要となります。売買価格はWebサイトによって異なりますが、高値での取引となるケースも珍しくありません。

(2)サイト運営にリソースが必要となる

Webサイトを譲り受けた後は、売り手と同程度の運営を再現することが求められます。サイトによっては、かなりの運営リソースが必要となることもあるでしょう。

(3)同じ収益を維持できるとは限らない

サイト売買は、「収益のあるサイトを購入すれば、後は自動的に利益が上げられる」というものではありません。その後も収益を維持・拡大していくためには、きちんと運営戦略を立てて臨むことが重要です。

(4)買収したサイトに手を加えることが難しい

サイト売買では、購入後に自社のイメージ方針に合わせてリニューアルを行うことも珍しくありません。しかし、大規模なリニューアルは既存顧客が離れてしまう要因になることがあります。

手を加えない部分がある場合は、ユーザーの反応を見ながら慎重に行う必要があるでしょう。

(5)詐欺などのトラブルに注意が必要

サイト売買では、先方と直接取引をすることもできます。しかし、中には「購入代金を振り込んだ後に連絡が取れなくなった」など、詐欺を目的としたケースもあるようです。

サイト売買は金銭のやり取りを伴う取引であるため、安心して取引を進めるためには、仲介サイトを利用することがおすすめです。

【売り手側】サイト売買のメリット・デメリット

サイト売買の売り手側は、資金を受け取ることでWebサイトの運営権を譲り渡します。続いては、売り手側のメリット・デメリットを紹介していきましょう。

【売り手側】サイト売買のメリット

売り手側のメリットとして、主に次の5点が挙げられます。

・まとまった資金が手に入る
・別の事業に集中できる
・サイトの後継者を見つけられる
・運用コストを削減できる
・人脈を広げるきっかけになる

(1)まとまった資金が手に入る

サイト売買では、Webサイトを売却することでまとまった資金を得られます。その資金を元手に新しいビジネスに取り組むことや、他の事業に集中することも可能です。

(2)別の事業に集中できる

サイト売買によってサイトを手放すことで、空いたリソースを別の事業に充てることができます。「軌道に乗っている事業に集中したい」という場合は、思い切ってサイトを売却することもひとつの戦略です。

(3)サイトの後継者を見つけられる

サイト運営を行う人の中には、「思い入れのあるサイトだけど運営を続けていくことが難しい」というケースもあるでしょう。サイト売買では、そうしたサイトの後継者を見つけられるため、これまで運営してきた大切なサイトを閉鎖することなく、次の運営者にバトンをつないでいけるメリットもあります。

(4)運用コストを削減できる

サイト運営では、サーバー費用やドメイン費用などのコストが継続的に発生します。もし複数のサイトを運営している場合、こうしたコストが負担になることもあるでしょう。

収益性の悪いサイトであれば、思い切って売却してコストを削減するのもひとつの方法です。

(5)人脈を広げるきっかけになる

サイト売買では、取引を通じて弁護士や会計士など専門家とのつながりが生じることがあります。今後事業を営むうえで、法的なトラブルが生じたり、税制上の取り扱いに悩んだりすることは少なくないでしょう。そうした際に頼れる専門家との人脈を得られるのは大きなメリットです。

【売り手側】サイト売買のデメリット

一方で、サイト売買の売り手側には次のようなデメリットも存在します。

・買い手がつかないケースもある
・サイトの情報を開示しなければならない
・一定期間は引き継ぎのサポートが必要
・競業禁止規定が負担になる可能性がある
・納税をする必要がある

(1)買い手がつかないケースもある

サイト売買では、「売りに出したら必ず買い手が見つかる」というわけではありません。特に、収益が少ないサイトや属人性が強いサイトは、買い手がつきにくい傾向にあります。

(2)サイトの情報を開示しなければならない

Webサイトを売却するときは、サイトの売上額や利益額、PV数などの内部情報を買い手に開示しなければなりません。もちろん売買取引を行う以上欠かせない情報ではありますが、中には抵抗を感じる人もいるでしょう。

(3)一定期間は引き継ぎのサポートが必要

サイト売買は、売却したらそれで終わりではありません。サイト売買の案件の中には、「売買後の一定期間は売り手からサポートを行う」という条件をつけるケースがあります。

その場合は、一定期間買い手からの問い合わせに対応する必要があるため、あらかじめリソースを割く想定をしておかなければなりません。

(4)競業禁止規定が負担になる可能性がある

サイト売買では、売り手側に競業禁止規定が定められることが一般的です。そのため、サイトの売却後、一定期間は類似したサイトの運営を行うことができません。

ただし、競業禁止規定は双方の交渉で決定しますので、売却後にサイト運営を予定している場合は買い手側にその旨を相談してみるとよいでしょう。

(5)納税をする必要がある

サイトの売却から得られる売却益によって、納税が発生する可能性があります。そのため、売却資金が入金されても全額使ってしまわないように注意が必要です。

節税や損益計算など不安な点がある場合は、税理士など専門家へ相談することをおすすめします。

サイト売買の相場感や手数料とは

サイト売買に取り組むにあたって気になるのが、取引価格のおよその相場感や手数料についてです。それぞれ確認していきましょう。

1.サイト売買の相場

一般的にWebサイトの取引価格は「サイトの月間営業利益の1~3年分」が相場だといわれています。

しかし、取引価格はサイトのジャンル、売上やPV数、コンテンツの質など複数の要因を考慮して決められるため、実際は「ケースバイケース」といえます。上記の価格はあくまで参考価格として捉えておくとよいでしょう。

2.サイト売買の手数料

サイト売買の仲介業者では、着手金が発生するところや成功報酬型のところなど、その料金体系はさまざまです。仲介業者を利用する際は、どれくらいのコストがかかるのか必ず事前に確認しておきましょう。

なお、サイトレードでは成功報酬型を採用しており、着手金や初期の相談料、案件の掲載などに関する手数料を一切いただいておりません。

取引が成約した場合に限り、下記の手数料をいただいております。

成約金額売り手買い手
5,000万円以下の場合3%(※1)10%
5,000万円超~1億円以下の場合3%(※1)6~9%(※2)
1億円超の場合無料個別相談

※1 専任委託を当社が受託した場合の料率になります。専任でない場合は5%になります。
※2 買収金額により変動しますのでご相談ください。
※3 最低成功報酬として、サイト売買の場合220,000円、株式譲渡の場合1,100,000円をいただきます。

サイト売買の流れ

サイト売買では、いくつかの手続きを経た後に取引が成立します。ここでは、買い手・売り手別に取引の流れを確認していきましょう。

【買い手側】サイト売買の流れ

サイトレードでは、次の流れに沿って取引を進めていきます。

①サイトレードへご依頼・要望のヒアリング
②案件情報公開
③売り手とご面談
④デューデリジェンス
⑤譲渡契約書締結・引き継ぎ

サイトレードでは、ご購入の検討を開始いただいたあと、およそ2~3ヶ月で取引成約まで完了しています。

【売り手側】サイト売買の流れ

サイトレードでは、次の流れに沿って取引を進めていきます。

①サイトレードへご依頼・要望のヒアリング
②案件情報公開
③売り手とご面談
④デューデリジェンス
⑤譲渡契約書締結・引き継ぎ

サイトレードでは、豊富な経験を持つ専門スタッフがお取引をサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

サイト売買の方法

サイト売買には、主に「仲介業者」「マッチングサイト」「個人間取引」の3つの方法があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。

1.サイト売買仲介会社を利用する

サイト売買の仲介業者では、売り手と買い手の間を専門スタッフが仲介・サポートしてくれます。担当スタッフに疑問点をたずねながら取引を進められるため、初めてサイト売買を行う人でも安心です。

ただし、仲介業者では充実したサポートが受けられる分、他の方法に比べて費用が高い傾向にあります。

2.サイト売買マッチングサイトを利用する

サイト売買のマッチングサイトでは、売り手と買い手をつなぐプラットフォームを提供しています。

手数料が安価なメリットはあるものの、取引の交渉や条件のすり合わせなどは売り手と買い手が直接行わなければなりません。サイト売買の経験が浅い場合は、「不利な条件で取引してしまう」といったケースも考えられます。

3.個人間で取引を行う

サイト売買では、個人間で取引を進めることも可能です。

ただし、個人間での取引は「お金を振り込んだ後に連絡が途絶えた」、「事前に聞いていたサイトの情報と全く違う」など、トラブルに発展するケースも少なくありません。

安心してサイト売買に取り組むためには、個人間の取引は避ける方がよいでしょう。

まとめ

サイト売買は、買い手・売り手双方にメリットがあります。その一方で、納得のいく取引にするためには、あらかじめデメリットや相場感、手数料などを理解しておくことが大切です。

サイトレードでは、豊富な経験を持つ専門スタッフがお取引の最後までサポートさせていただきます。サイトの購入・売却をご検討されている方は、どうぞお気軽にサイトレードへご相談ください。

執筆著者 和家智也(わけともや)

執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事

筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる