サイト売買コラム
- 買い手目線
【買い手目線】サイト売買での価格交渉のポイントを解説
この記事のポイント
価格交渉は売り手側の気持ちを考えたうえで提案を!
2022.04.25
執筆者: 和家 智也
サイト売買では、売り手側に対して価格交渉を行うことができます。しかし、価格交渉を行う際はいくつかのポイントを理解しておく必要があります。ポイントを抑えずに価格交渉を行うと、売り手側から「お金の話ばかり。そもそもサイト運営はできるのだろうか?」「大切に育ててきたサイトの価値を理解してない」と不信感を持たれてしまいかねません。そこで今回の記事では、サイト売買での価格交渉について買い手側から見たポイントを解説していきます。
Contents
【買い手目線】サイト売買で価格交渉は可能?
サイト売買では価格交渉が可能です。サイト売買では「相対取引」といって、売り手・買い手双方が合意して取引価格が決定します。サイト売買の専門サイトなどで掲載されている売却価格はあくまで売り手側の希望価格であるため、交渉によって取引価格を引き下げてもらうことも可能です。
しかし、人気の高いサイトであれば、売り手は価格交渉に応じる必要がありません。価格の交渉ばかりに固執していると、他の買い手がさっさと購入を決めてしまうということも起こり得ます。また、あまりに売り手側の意向を無視した一方的な価格交渉は、売り手側の気分を害してしまい即破談ということもありえます。
サイト売買でスムーズに価格交渉を進めるためには、いくつかのポイントを理解しておきましょう。次の項目にて詳しく解説していきます。
【買い手目線】サイト売買での価格交渉のポイント
サイト売買を成立させるためには、買い手・売り手双方が取引条件に合意することが必須です。そのため「サイトを安く購入したい」という点だけにこだわってしまっては、売り手側との交渉は上手く進みません。サイト売買でスムーズに価格交渉を行うためには、以下のポイントを抑えることが大切です。
①売り出しの情報が掲載されてからの期間で判断する
サイト売買で価格交渉を行う際は、売り出しの情報が掲載されてからの期間をみてみましょう。情報公開から間もないサイトでは、売り手側が「価格交渉よりもまずは他の買い手の反応が見たい」と考えます。
その反対に、長い期間売り出しの情報が掲載されている案件であれば、売り手側も価格交渉に応じてくれるかもしれません。「気になるサイトがあるけど予算と合わない」という案件があれば、十分価格交渉の余地はあるでしょう。
②サイトの運営工程に注目する
サイト売買の価格交渉では、サイトの運営方法や業務フローにも注目しましょう。たとえば「特定の技術・知識を持った人でなければ運営できそうにない」というサイトは、購入できる買い手が限られますし、問い合わせや引き合いも限られるでしょう。
需要が限定されるような案件では、売り手側も買い手を見つけるのに苦労しているかもしれません。そのため、サイト運営が可能な買い手側からの価格交渉であれば、売り手側も交渉に応じてくれる可能性があります。
③売り手の希望価格から大きく乖離していない金額を提示する
サイト売買では価格交渉が可能ですが、その範囲はあくまで売り手の希望価格から大きく乖離しないように気を付けましょう。あまりに希望価格からかけ離れた提示をすると、売り手側がと交渉に応じてくれない可能性があります。もし提示する場合には、値下げの根拠や論理立てた説明が必要になります。
ほとんどの売り手は、売却するサイトに愛着を持っています。売りに出すのは、何かやむを得ない理由を抱えているのです。価格交渉を行う際は、そうした売り手側の気持ちや立場を考慮することも忘れないようにしましょう。
④サイト売買の専門アドバイザーに相談する
サイト売買の仲介業者では、サイト売買のM&A専門アドバイザーが在籍しています(直接交渉するマッチングサイトには在籍していない場合があります)。サイト売買での価格交渉は、こうした専門アドバイザーからの助言も参考にしましょう。
数多くのサイト売買を仲介した経験があるM&Aアドバイザーに相談すれば、サイトの持つ価値を分析し、交渉の流れや提示価格の水準などを丁寧に教えてもらえます。下手をして売り手側との交渉が決裂してしまうということも避けられるでしょう。
サイトレードでは、これまでに2,000件以上のご相談、数百件に及ぶ仲介成約実績があり、経験豊富なM&Aアドバイザーが在籍しています。「購入を検討しているサイトがあるけど、条件が合わない」というお悩みがあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。
⑤おおよその相場感を知っておく
サイト売買の価格交渉を行うにあたって、おおよその相場感を知っておきましょう。サイトは生き物で常に状態が変化します。売買の取引価格は数万円~数千万円と幅広い価格帯で行われますし、一概に価値を査定することが難しい取引市場です。
一般的には「サイトの月間営業利益の1年~3年分」が売却価格の相場といわれています。サイト売買の価格交渉を行う際は、おおよその相場感をおさえておき、きちんと買収意図を伝えたうえで、相場の範囲内で交渉するようにしましょう。
⑥サイトの購入意欲を伝える
サイト売買の価格交渉では、売り手側に購入意欲をきちんと伝えることも大切です。価格交渉ばかりを全面に押し出してしまうと、売り手側は不快感を持ちますし不信感も抱きます。
価格交渉を行う際は、「購入したい気持ちはあるけど、価格面で相談したい」と購入を前提とした価格交渉であることを十分に伝えるよう心がけましょう。
⑦買い手に対して上から目線にならないようにする
サイト売買の価格交渉で特に気を付けたいのが、売り手に対して上から目線で価格交渉してしまうことです。「この価格なら購入してもいい」というような態度での価格交渉は、売り手側の気分を害することになりかねません。サイト売買の市場は、ここしばらく売り手市場が続いていますので、需要と供給だけで考えると売り手の方が優位なのです。
「売り手の希望価格から大きく乖離していない金額を提示する」の項目でもお伝えしたように、売り手側の気持ちや立場を尊重しながら価格交渉を行うことが大切です。
⑧これまでのサイト売買の経験をアピールする
これまでに類似サイトを買収した経験があれば、その実績とともに価格交渉を行いましょう。「サイト売買の経験があるため、サイト運営の引継ぎに手間がかからない」ということをアピールできれば、売り手側にとっても引継ぎ後の手間が減るメリットが伝えられます。
売り手側に「運営の引継ぎに時間が取られないなら、少し安く売却しても良いかな」と思ってもらえるように、上手に実績をアピールしながら価格交渉を行いましょう。
希望に合ったサイト売買を行うために
サイトレードでは、サイト購入のご相談を頂いたお客さまに「ご要望ヒアリング」を実施しています。サイトレードのご要望ヒアリングでは、サイトのジャンル、売上・利益の規模、会員数、アクセス数、スケジュール、ご予算などをお聞きしております。
あらかじめお客さまのご要望をしっかりと把握させて頂いたうえで、対象に入る案件が出てきた際には、個別にご案内をさせて頂きますのでお気軽にご相談ください。
まとめ
サイト売買では売り手・買い手双方の意向で取引価格を決定するため、買い手側から価格交渉を行うことができます。ただし、相場価格や売り手側の気持ちを無視した価格交渉ではスムーズに取引が進まないこともあるでしょう。
サイト売買で価格交渉を行う際は、この記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。
執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事
筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる』
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