サイト売買コラム
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売上がないサイトでも売却可能?買い手に評価されるポイントとは
この記事のポイント
評価ポイントは「売上以外の付加価値を充実させる」か「1円でも収益を得られるようマネタイズを目指す」のどちらか!
2023.06.13
執筆者:和家 智也
サイト売買では、売上や利益が重視されるケースが多くあります。実際にサイト売買の仲介サイトを見ても、月間売上や営業利益が記載されていることがほとんどです。では、売上が全くないWebサイトは売却が難しいのでしょうか。本記事では、売上がないWebサイトを売却できるかどうかや、売上以外で買い手に評価されるポイントについて解説していきます。
Contents
サイト売買の相場価格はどれくらい?
一般的にサイト売買の相場価格は、「サイトの月間営業利益の1~3年分」といわれています。仮に月間営業利益が10万円のWebサイトであれば、120万~360万円で取引される計算です。
これだけ相場価格に幅があるのは、サイト売買では月間営業利益以外の要因も考慮されるためです。具体的には、Webサイトのジャンル、売上やPV数、コンテンツの質といった複数の要素を踏まえたうえで取引価格が決められます。
実際の取引価格はまさにケースバイケースですので、あくまで一般的な目安として捉えておくとよいでしょう。
売上がないWebサイトでも売却できる?
サイト売買では、売上だけでなくWebサイトのジャンルやPV数、コンテンツの質など複数の要因を勘案したうえで取引が進められます。とはいえ、売上が全くないWebサイトでも売却できるものなのでしょうか。くわしく考えていきましょう。
売上以外の付加価値があると買い手の評価を得やすい
売上がないWebサイトでも、それ以外に買い手の興味を引くような付加価値があると売却できるケースがあります。どのような点が評価されるかは書いてのニーズにもよりますが、一般的には次のようなポイントが挙げられます。
・会員数や一定のアクセス数があるサイト ・マネタイズの見込みがあるサイト ・質の高いコンテンツが入っているサイト ・ゼロから制作するより安価に購入できるサイト ・フォロワー数の多いSNSアカウント |
それぞれくわしく解説していきましょう。
(1)会員数や一定のアクセスがあるサイト
売上が上がっていなくても会員数や一定のアクセスがあるWebサイトは、今後のサイト運営の展望が描きやすいメリットがあります。
Webサイトをゼロから立ち上げる場合、最初に苦労するのはユーザーの獲得です。通常は試行錯誤しながら会員やアクセス数を獲得していくものですが、サイト売買であればすでに多くのユーザーを抱えた状態でサイト運営をスタートできます。
たとえ売上が上がっていなくても、買い手に「これだけ会員数・PV数があるサイトは今後が有望だ」と感じてもらえたら売却できる可能性もあるかもしれません。
(2)マネタイズの見込みがあるサイト
今後マネタイズの見込みがあるWebサイトも、買い手から評価されるポイントです。
サイト売買の買い手は、当然購入後に利益を得ることを目的としています。買い手としてはすでに収益が上がっているWebサイトを購入するのが最もスムーズですが、中にはなかなか希望に沿うサイトが見つからないこともあるでしょう。
そうした場合、現在は収益がなくても今後マネタイズの見込みがあるWebサイトにスポットが当たる可能性があります。
買い手から「ゼロからWebサイトを立ち上げるよりも、このサイトでマネタイズする方が手っ取り早い」と判断してもらえたら、購入へと話が進むケースもあるかもしれません。
(3)質の高いコンテンツが入っているサイト
「専門家による監修記事が多い」、「独自の目線で切り込む記事が多い」など、コンテンツの質が高いWebサイトも買い手から評価を受けるポイントです。
ゼロからWebサイトを立ち上げる場合、まず一定のコンテンツを作り出すのに相当の労力がかかります。専門家に監修を依頼したり、コンテンツ制作を外注したりするとなれば、その費用も軽視できません。
その点、コンテンツの質が高いWebサイトを購入すれば、すでに多くのコンテンツを抱えた状態で運営を引き継げるメリットがあります。
特に専門性の高いジャンルは、コンテンツの質の高さやボリュームの大きさを重視されることも珍しくありません。
(4)ゼロから制作するより安価に購入できるサイト
Webサイトをゼロから立ち上げる場合、一定の製作費がかかります。専門業者に外注するとなればなおさらです。そのため、サイト売買の買い手には「サイト構築にかかる初期費用をなるべく抑えたい」というニーズがあります。
売り上げがないサイトでも、「ゼロから立ち上げる場合の費用より、サイトを購入した方が安く済む」と感じてもらえたら取引へと話が進むこともあるかもしれません。
(5)フォロワー数の多いSNSアカウント
Webサイトではありませんが、SNSアカウントも収益がなくても売却できるケースがあります。特にフォロワー数の多いアカウントは、買い手がつきやすい傾向にあります。
最近は、WebサイトとSNSを連携させて集客するケースが多く、SNSアカウントの売買もWebサイトと同様に活発に行われています。SNSの運用で最も苦労するのがフォロワーの獲得です。
一定のフォロワーを獲得するためには、トレンドを掴んだ投稿や話題性のある投稿を継続的に行う必要があり、相当の手間暇をかけなければなりません。
その点、フォロワー数を多く抱えたSNSアカウントを購入すれば、すでに拡散力がある状態で情報を発信できるメリットがあります。
もちろん有効なアカウントにフォローされることが大前提ですが、買い手側がシナジーを感じるジャンルで運営している場合は、収益がない状態で売却されることも珍しくありません。
少額でも収益を作ることが大切
ここまで売上以外に買い手から評価されるポイントを紹介してきましたが、より多くの買い手に興味を持ってもらうためには少額でも売上を得ることが大切です。
当サイト「サイトレード」でも売上がないWebサイトの売却はほとんど取り扱っておらず、なかなか買い手がつきにくいのが実情です。
将来的にサイトの売却を目指すのであれば、まずは1円でも売上を得ることを重視しましょう。
やはり売上がないサイトは売却されづらい
売上がないWebサイトでも「一定の会員数がある」、「マネタイズの見込みがある」といった付加価値があれば売却できるケースがあります。しかし、やはり相当レアなケースであることは間違いありません。
売上がない状態でいつまでも買い手が見つかるのを待ち続けるなら、その間マネタイズ化できるように注力する方がサイト売却への近道となる可能性もあるでしょう。
売上がないWebサイトの売却を目指すのであれば、「売上以外の付加価値を磨き上げる」もしくは「マネタイズ化に注力して売り上げを得る」のいずれかの方針で取り組むことを意識するとよいでしょう。
まとめ
サイト売買では売上や利益を重視する買い手が多く、売上のないWebサイトを売却することはそう簡単なことではありません。中には、「コンテンツの質が高い」「マネタイズの見込みがある」といった付加価値を評価されて売却につながるケースもありますが、例としてはそれほど多くない状態です。
したがって、売上がないWebサイトを売却したい場合は、「売上以外の付加価値を充実させる」か「1円でも収益を得られるようマネタイズを目指す」のどちらかに注力するとよいでしょう。
執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事
筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる』