サイト売買コラム

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知っておきたいサイト購入後のあれこれ!費用の目安も紹介

この記事のポイント

サイト購入後の費用と必須手続きをお忘れなく!もちろん運営体制の事前準備も!

執筆者:和家 智也

サイト売買は、すでに軌道に乗っているサイトを購入できることから、アフィリエイトサイトやECサイトなど幅広い分野で行われています。これからサイト運営を始める人の中にも、サイト売買を検討している人も多いかもしれません。

そこで知っておきたいのが、サイト購入後のあれこれについてです。売買契約後にスタートする運営では、どのような手続きや作業が待っているのでしょうか。

本記事では、サイト購入した後にやるべきことや、発生する費用、注意点について解説します。

サイト購入後にしなければいけないこととは?

サイト売買という大きな契約手続きを終えた後には、次のような手続き・作業に取り掛かる必要があります。

・ドメイン・サーバーの移管作業
・サイト運営のためのスケジュール管理
・定期的なアクセス・収益管理

それぞれ何をすべきか、詳しく確認していきましょう。

ドメイン・サーバーの移管作業

サイト売買の契約が済んだ後は、サイトのドメインやサーバーの移管作業を行う必要があります。

ドメイン・サーバーの移管作業とは、売り手から買い手へサイトを譲渡するために必要な手続きで、「名義変更」のようなものだとイメージすると分かりやすいでしょう。

ドメイン・サーバーの移管作業は手順を間違うと、データを失ってしまうリスクがあることから、専門的な知見を持って取り組むことが欠かせません。そのため、どのような作業が発生するか、きちんと事前に手続きの流れを把握しておくことが大切です。

なお、サイトレードのような仲介業者を利用すると、ドメイン・サーバー移管の手続きまでサポートを受けられます。不明点や疑問点を専門スタッフにたずねながら取り組めるので、初めてサイト売買を行う人でも安心して作業を進められます。

サイト運用のためスケジュール管理

サイトのドメイン・サーバー移管の作業が完了したら、いよいよサイト運営のスタートです。売り手と同じような運営を再現するためには、正確なスケジュール管理のもとでやるべきことを把握しなければなりません。

たとえば、アフィリエイトサイトの運営では、次のようなことに取り組む必要があります。

・アフィリエイトの申請・登録
・新規記事の企画・制作
・情報が古い記事のリライト作業
・外部ライターへの依頼

特に、新規記事の制作は今後ずっと取り組んでいく作業です。「どれくらいのスパンで新規記事を掲載するのか」、「そのためにはどのようなスケジュールで記事制作に取り組む必要があるのか」ということを具体的に考えてみましょう。

定期的なアクセス・収益確認

サイトの運営を開始したら、定期的にアクセス数や収益の状況をチェックすることが大切です。

これまで順調に収益を上げていたサイトだからといって、必ずしも同程度の収益を維持できるとは限りません。売り手と同じような運営を再現できていない場合は、アクセス数が急減することも考えられます。

「アクセス数を集められているか」、「どれくらいの収益を上げているか」ということを把握するためには、Google Analytics 4(GA4)などのアクセス解析ツールを活用して、ユーザーの行動解析を行うようにしましょう。

もし、アクセス数や収益が悪化している場合は、その原因を把握し、すみやかに対策を講じることが重要です。

忘れてはいけないサイト購入後にもかかる費用

サイト売買には、M&Aのためのまとまった資金が必要となりますが、購入後も次のような費用がかかることを忘れてはいけません。

・サイト更新費用
・コンテンツ作成費用

どのような費用がかかるのか、くわしく確認していきましょう。

サイト更新費用

サイト運営では、ランニングコストとして次のような費用が発生します。

・ドメイン更新料
・サーバー利用料金
・SSL導入費用

これらの費用はどの業者を利用するかによっても異なりますが、およそ年間1万円程度かかることを想定しておくとよいでしょう。

よりコストを抑えるためには、複数の業者の料金体系を比較して利用先を選定することがおすすめです。

コンテンツ作成費用

サイト運営では、コンテンツの制作にかかる費用も正確に把握しておくことが大切です。

たとえば、アフィリエイトサイトでは、記事制作を外部ライターへ依頼する場合、継続的に発注費用がかかることとなります。もし売り手から外注先も含めて引き継ぐ場合は、どれくらいの費用がかかるのか具体的に確認しておくとよいでしょう。

また、ECサイトでは仕入れにかかる費用も大きな負担となります。サイトによっては在庫を抱えずに営業する方法もありますので、「なるべく仕入れにかかる費用を抑えたい」という場合は、無在庫で運営しているECサイトを中心に購入を検討することがおすすめです。

サイト管理で注意する点

サイト運営は、自分で管理することも可能ですが、中規模以上のサイトを運営する場合やサイト運営に知見がない場合などについては、サイトの保守管理を外部へ依頼することもひとつの方法です。

外部の保守管理業者では、サイトの構築やカスタマイズ、改修、セキュリティ対策、SEO対策など幅広いサービスを受けることができます。

サイト運営をプロの業者へ任せられるため、リソースが確保できない人やサイト運営の経験が浅い人でも万全の運営体制を構築することが可能です。

なお、外部の保守管理業者へ依頼する際は、次のような点を確認するようにしましょう。

・保守管理にかかる費用は相場の範囲内か
・セキュリティ体制は万全か
・どのようなサービス内容が契約に含まれるか

たとえば、提供するサービス内容は業者によってさまざまです。「料金の安さに惹かれたけど、利用したいサービスがなかった」ということもあるため、事前にどのようなサービスを提供しているのか、しっかりと確認しておくようにしましょう。

まとめ

サイト売買は、譲渡契約の手続きを行えばそれで終わりではありません。むしろ購入してからの方が、サイト運営や収益の維持に多くの手間暇がかかります。

サイト購入を検討する際は、購入後にやるべきことや発生する費用などをよく理解したうえで、売買に取り組むようにしましょう。

執筆著者 和家智也(わけともや)

執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事

筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる