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【2024年版】Amazonアカウントは売買(譲渡)可能なの?買い手と売り手のメリットと手順
この記事のポイント
Amazonアカウントを閉じるのはもったいない!売却できるか挑戦してみる!
2024.01.20 2024.01.20
執筆者: 和家 智也
ネットショッピングに便利なAmazon(アマゾン)は、コロナ禍以降巣ごもり消費の需要増加で大きな注目を集めました。それに加えて最近では、Amazonアカウントの売買について多くの事業者からの関心が高まっています。そこで今回は、Amazonアカウントの売買のメリットや注意点について解説していきます。
Contents
Amazonアカウントの種類とは?
Amazonアカウントには、「購入者用アカウント」と「出品者用アカウント」の2つの種類があります。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
①購入者用アカウント
購入者用アカウントは、Amazonでショッピングをしたり、関連サービスを利用したりするときに使われるアカウントです。
購入者用アカウントには、無料で登録できる「通常会員」と、会費が発生する「プライム会員」の2種類があります。プライム会員は月500円もしくは年4,900円の会費がかかりますが、ショッピングの際にお急ぎ便や日時指定便が利用できるサービスや、映画・音楽などのサブスクサービスが利用できる特典が付帯されています。
②出品者用アカウント
出品者用アカウントは、Amazonに商品を出品する際に使われるアカウントです。利用者は出品プランを選択のうえ、アカウントを作成します。Amazonの出品プランには、「小口出品」と「大口出品」の2種類があり、出品する商品数などの事業規模に合わせてプランを選択できます。
また、商品の販売にはそれぞれ販売手数料が発生しますが、Amazonでは商品カテゴリーによって販売手数料が異なることが特徴です。
Amazonは圧倒的な集客力があることや低コストで販売できること、出品までの流れが簡潔であることなど、出品者側にも多くのメリットがあります。
Amazonアカウントは売買(譲渡)できるの?
Amazonアカウントの譲渡については、さまざまな解釈がありますが、Amazonの「出品者利用規約および出品者行動規範」ではアカウント譲渡に関する制限事項は記載されていません。
出品者用アカウントの管理者を変更する場合は、Amazonの運営側へ連絡をして許諾をもらったのちにアカウント情報を書き換えるだけで譲渡が完了します。
【買い手側】Amazonアカウント購入のメリット
Amazonアカウントを購入する買い手側には、大きく分けて4つのメリットが挙げられます。以下でそれぞれ詳しく確認していきましょう。
①ユーザーからの評価が既に付いている
すでに運営されている出品者用アカウントを購入することで、買い手側はユーザーからの評価を引き継げるメリットがあります。
商品の現物を手に取って確認ができないECサイトでは、他のユーザーからの評価が大きな指標になります。商品の評価以外にも発送までのスムーズさやトラブル時の対応など、ユーザー評価を参考にしている人は多いでしょう。
Amazonアカウントの売買では、高評価を得ている出品者用アカウントを購入することで、ユーザーからの信頼度が高い状態で事業をスタートできるのです。Amazonでは、高評価を得ているアカウントほど上位に表示される傾向にあるため、より消費者の目につきやすいメリットもあります。
②引当金を取られない
Amazonアカウントを購入するメリットとして、引当金を取られないことが挙げられます。引当金とは、アカウントのレベルに応じて売上金が一時的にAmazon側へ留保される仕組みです。アカウントのレベルには、「返品される割合が多い」「保証申請が行われている」など多くの基準がありますが、「新規作成されたばかりの新しいアカウントである」という点も引当金の対象となります。
一方、引当金がない既存のアカウントでは売上から入金までのサイクルが短いため、キャッシュフローに優れているのです。したがって、一定のアカウントレベルに達しているAmazonアカウントを購入することで、事業者は売上をすぐに現金化できるメリットがあります。
③在庫や仕入れ先を引き継げる
Amazonアカウントを購入するメリットとして、在庫や仕入れ先を引き継げることが挙げられます。イチからEC事業を立ち上げる場合、まずは仕入れ先の開拓や在庫の確保に一定の時間を割かなければいけません。取り扱う商品によっては、まとまったロットでの仕入れが必要になり多額の初期費用が必要となることもあるでしょう。さらに、信用がないので掛け売り取引ができず、仕入れ代金を先払いする必要が出てくるでしょう。
しかし、既に運営されているAmazonアカウントを購入すれば、優良な仕入先や在庫も引き継げるため、効率よくEC事業をスタートできます。
④ショッピングカートが表示される
Amazonアカウントの売買では、最初からショッピングカートが表示される点も大きなメリットです。開設から間もない出品者用アカウントの場合、Amazon側が規定する一定の条件を満たすまでショッピングカートが表示されません。そのため、ユーザーが商品を購入する場合、商品一覧のページに飛んで購入画面へ移行するというステップを踏む必要があります。
画面遷移の間にユーザーが離脱してしまうことも考えられるため、ショッピングカートが表示されるまでの間は売上が伸びにくいのが一般的です。したがって、Amazonで新規にEC事業を始められれば、すでにショッピングカートが表示されているアカウントを購入した方がユーザー離脱のリスクが抑えられるでしょう。
【売り手側】Amazonアカウント売却のメリット
Amazonアカウントの売買は、売り手側にも多くのメリットがあります。以下でそれぞれ詳しく確認していきましょう。
①売却益を手にできる
これまで手掛けていたEC事業を廃業する場合、通常であればAmazonアカウントを閉鎖することが考えられます。しかし、既に運営されている出品者用アカウントを欲しいと思っている買い手は多く存在しています。
そこで、アカウントを閉鎖するのではなく、売りに出すことで売却益を得られる可能性があるのです。本来であれば「アカウントを閉鎖して終わり」であったところ、まとまったキャッシュを得られるのは売り手にとって大きなメリットといえるでしょう。
②在庫を引き渡せる
Amazonアカウントの買い手に在庫を引き継げるのも、売り手側のメリットのひとつです。EC事業で苦労するのが在庫の管理。多くの事業者が、在庫に過不足がないよう細心の注意を払いながら管理を行っています。
しかし、Amazonアカウントを売却すれば、買い手側に在庫をそのまま引き継げるため、そうした在庫の管理から解放されるメリットがあります。また、在庫のほかにも仕入れ先や顧客リストなどを引き継ぐことも可能です。
③他のビジネスに集中できる
複数の事業を手掛けている場合、Amazonアカウントを売却することによってメインの事業に集中できるようになるメリットもあります。EC事業を手掛けていると、発注確認や発送作業、在庫管理、代金回収、顧客対応など多くの時間・コストがかかります。
その他にも流行に合わせたマーケティングや新商品開発など、とても片手間ではこなせないような仕事ばかりです。必要に応じてAmazonアカウントを売却することによって、本業や新規ビジネスに集中できるようになるでしょう。
Amazonアカウントの売買相場
Amazonアカウントはおよそどれくらいの価格で売買されているのでしょうか。
Amazonアカウントの売買金額は、「月額利益×1~3年」が相場といわれています。たとえば毎月の平均利益が50万円のアカウントは、およそ600万円~1,800万円が相場価格になります。ただし、取り扱う商品のジャンルや安定性、流行の有無によって価格が変動する可能性もあります。
Amazonアカウントの売却額を上げるポイント
Amazonアカウントの売り手の多くは、「なるべく高値で売却したい」と考えるものでしょう。より高値でアカウントを売却するためには、以下の3つのポイントを抑えることが大切です。
①独自商品の取り扱い
オリジナル商品を開発、または仕入れて取り扱っている出品者用アカウントは高値がつきます。また、独自商品の商標を持っていてオリジナルブランド登録をしているとさらに価値が高まります。中には、ただ商品を転売して利益を上げているようなアカウントもありますが、そのようなアカウントは価値があまりでません。
②仕入れ先の紹介
一般に知られていない仕入れ先を紹介できるアカウントも高値がつきやすいでしょう。新たにEC事業を始める買い手にとって、品質の良い商品を共有してくれて、信頼できる仕入れ先の紹介は非常に有益なもの。アカウントの引継ぎと同時に仕入れ先も引き継げるのであれば、譲渡価格が上乗せされる可能性があるといえます。
③運用マニュアルの提供
運用マニュアルが完備されているAmazonアカウントも高値がつきやすい傾向にあります。アカウントの売買で多くの買い手が気にする点は、「アカウントを引き継いだあとに同じように運用できるか」という事業の再現性です。そこで、誰でも事業を運用しやすいようにマニュアルを作成していれば、買い手からの高い評価につながるでしょう。
Amazonアカウントの売買にあたっての注意点
ここまで、Amazonアカウント売買のメリットについて解説してきました。しかし、Amazonアカウントを売買するにあたって、気を付けておきたい注意点があります。規約違反とみなされると、アカウント停止やアカウント閉鎖となることもあるため、必ず注意点を確認しておきましょう。
①複数アカウントの保有禁止
Amazonでは、個人でも法人でも出品者用アカウントを複数保有することが禁止されています。そのため、売り手側はアカウントの売却が完了するまで新たにアカウントを作成することはできません。同じく買い手側も既に出品者用アカウントを保有している場合は、第三者に売却するか閉鎖するなどの手続きを行いましょう。
②在庫商品の扱いを検討
Amazonアカウントの売り手側は、在庫商品の取り扱いを検討しておく必要があります。在庫を含めてアカウントを売却するのか、在庫は譲渡せず処分してアカウントのみを譲り渡すのかを考えておきましょう。在庫を含めて譲渡する場合、過剰在庫や不良在庫は引き継ぎできない可能性が高いため、その点も十分留意しておくことが大切です。
Amazonアカウント売買の流れを解説
次に、Amazonアカウントを売買する際の流れについて確認していきましょう。ここでは、サイトレードで売買を行う場合の流れを紹介していきます。
Amazonアカウント売却までの流れ
①サイトレードへご依頼・ご相談
まずは、サイトレードへAmazonアカウント売却の旨をご相談ください。
②ご要望ヒアリング
サイトレードのM&A専門アドバイザーがAmazonアカウントの情報をもとに、売却金額や売却理由などをヒアリングさせて頂きます。
③簡易価格査定
ご提供いただいたAmazonアカウントの詳細情報や過去の実績に基づいて、簡易価格を査定いたします。その後、相場金額でアカウント売却を開始して買い手を募集します。
④買い手との面談
買い手の候補が見つかると、売り手・買い手・サイトレードの3者で面談を行います。これまでのアカウントの運営体制や、アカウントの引継ぎ後の流れなど、アカウント売買に必要な手続きを3者でできるようご面談を支援させていただきます。
⑤売買成約と引継ぎ
売買条件に合意後、契約書を締結します。その後売買代金の受け取りが済んだら手続き完了です。成約後はあらかじめ取り決めたスケジュールに従って、Amazonアカウントの引継ぎが行われます。
Amazonアカウント購入希望の方
Amazonアカウントを購入希望の方に向けて、サイトレードでは売却案件の情報を提供しております。
取り扱い中のサイト売却案件のうち、ご希望の売却案件をお探しください。
また、サイトレードにお問い合わせ頂ければ、ご予算や購入希望アカウントなど詳細をヒアリングさせて頂きます。
まとめ
Amazonアカウントの売買は、売り手・買い手それぞれに多くのメリットがあります。コロナ禍以降需要が増加しているEC分野では、価値があるAmazonアカウントは高値で売却することも可能です。EC事業をやめるからといって、そのままアカウントを閉じてしまうのはもったいないといえます。
Amazonアカウントの売却を検討している方は、簡易見積もりも行っておりますのでどうぞお気軽にご相談ください。
執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事
筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる』