サイト売買コラム
- 売り手目線
サイトの売却期間は平均でどれくらい?早く売却するポイントを解説
この記事のポイント
サイト売却期間が短いサイトには共通点がある!
2022.04.04

執筆者: 和家 智也
サイトの売り手側にとって、「どれくらいの期間で売却できるのか」という点はとても気になることです。
多くの売り手にとって「なるべく早く買い手を見つけたい」「けれども値切られて安売りはしたくない」というのが売り手側の気持ちです。
そこで今回は、サイトの売却にかかる期間や、売却期間を短縮するコツを解説していきます。
Contents
サイト売却にかかる期間とは?
サイト売却にかかる期間は、一般的に2~3ヶ月といわれています。しかし、サイトを売りに出してすぐに買い手がつくこともあれば、なかなか買い手が見つからないこともあります。さらに、買い手が出てきても条件の折り合いがつかずに交渉が長引くこともあるため、一概にこの限りとはいえません。
また、買い手側の企業が上場会社や大企業の場合では、サイトの買収にあたって役員会や経営会議での議案決議が必要となるため、中小企業の場合に比べて手続きに時間がかかることが一般的です。
最短6時間で売却決定の事例もある
当社サイトレードで取り扱った成約事例の中では、情報公開から6時間で買い手がついたことがありました。売買の対象となったのは、住宅系ポータルサイトでした。家を建てたい人が集まるサイトで、月間10万~12万のアクセス数がありました。加えて、全国各地の建築士が数百名も会員登録していて、今後様々な成長の可能性があるサイトでした。
このサイトの売り出し情報を掲載してから6時間で「購入したい」との連絡を頂き、すぐにサイトの買収手続きへと話しが進みました。実際には売買契約の締結作業などの実務が入るため、全て手続きが完了したのは当サイトに情報を掲載してから1週間ほどでした。
売り手・買い手双方のニーズが合致し、交渉がスムーズに進めばこのように短い売却期間で手続きを終えることもあります。
サイトの売却期間が短かったその他の例をみても、特にサイトのジャンルに偏りがあるわけではありません。買い手がサイトを探しているタイミングや、人と人のご縁によることも多々見てきたのが、仲介者・M&Aアドバイザーとしての私の感想です。
サイト売却の期間を短くする4つのポイント
サイトの売却期間をより短くするためには、買い手が欲しがるサイトに育てること、適正な相場価格で売り出しすること、買収にあたっての懸念点をクリアにすることが大切です。具体的にどのようなポイントなのか解説していきます。
①サイトを相場価格で売り出す
まず、サイトの相場価格で売り出すことが何より大切です。いくら自分が希望する金額があったとしても、相場価格より大幅に高いようであれば、何年経っても買い手は現れませんし、なかなか良いご縁が生まれません。サイト売買の初心者であれば、自分のサイトの適正価格や相場価格が分からないと思いますので、M&Aアドバイザーや仲介業者に聞いてみましょう。
売り手には「これまでサイト構築に大きな開発コストをかけてきたので投資回収したい」「私のサイトの事業価値を高く評価してくれる人が世の中にいるはずだ」という気持ちがあるのはよく分かります。もちろん、サイトの価値を高く評価してくれる買い手を待つのも良いですが、時間が経てばたつほどサイトの価値が下がるのを目にしてきました。売ると決めた後に気持ちが緩んでサイト運営に手を抜いてしまい、アクセス数や売り上げが下降してしまうのが理由です。
②収益性が高い
サイト売買において、収益性が高いサイトは注目されやすく、短期間で売れるサイトです。買い手側がサイト売買を検討する理由の一つとして、「サイト構築の手間をかけずに、すぐに利益を上げられる」という点があります。そのため、現時点で既に高い収益を上げているサイトが魅力的であるのは間違いありません。ただし、一時的な要因で収益が上がっているサイト、季節やイベントによって大きな変動があるサイトは敬遠されることがあります。
売り手側は、すぐに収益性を高めることが難しければ、アクセス数を今の2倍に増やすプロジェクトを立てて実行してみましょう。多くのサイトはアクセス数に比例して収益も増加し、成長しているサイトとして魅力的なサイトになります。それと同時に、サイト運営の経費を削減する、固定費を変動費にできないかを検討し、営業利益を高める工夫をしてみましょう。
③運用体制が単純で再現性がある
買い手側は、サイト購入後に引継ぎ前に比べて追加で人件費がかかったり、余計な運営工数がかかったりすることは避けたいと考えています。また、その人にしか運営できないような極端に専門性が高いサイトなど、属人性が強いサイトは買い手がつきにくい傾向にあるのです。例えば、株式投資情報配信、海外移住生活案内、中古バッグ買取ビジネスなど、属人生が強いサイト、長年の現場経験がないと運営の引継ぎが難しいサイトもあります。
サイトの売却時間をより短くするためには、「サイトの運営には再現性がある」「ポイントを押さえておけば短期間で業界のプロと同じレベルになれる」ということを積極的にアピールしていきましょう。加えて、事業の再現性を高めるよう「運営の工程をマニュアル化している」などの社内体制がテキスト化され、事前準備ができているのであれば、買い手側にとってさらに魅力的な案件になります。
④アクセスの流入元が多様で安定している
一定のアクセス数があるサイトも、売却期間が短い傾向にあります。サイト売買を行う際は、月間PV・UUなどのアクセスデータを開示しますが、買い手側が好印象を抱くのは、数字だけでなく、アクセスの流入元が多様であるサイトです。
時事性や一時の流行などによってアクセス数が伸びているのではなく、多くの流入元があり、被リンクによるSEO対策が施されているサイトは今後も安定した収益が見込めるためです。加えて、ユーザーが新規かリピーターか、直帰率が適度かという点もチェックされるため自社サイトのアクセス解析を見直してみましょう。
まとめ
サイトの売却期間は、一般的に2~3ヶ月ほどといわれていますが、サイトの規模や売却金額などによって、契約が成立するまでの期間はさまざまです。
しかし、売却期間が短かったサイトの事例を見てみると、「サイトを相場で売り出す」「収益性が高い」「運営体制が単純で再現性がある」といった共通の特徴があります。なるべく早くサイトの売却をしたいという方は、記事内で紹介したポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事
筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる』
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