サイト売買コラム

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サイト売買で売れないサイトに共通する7つの特徴とは?売れやすいサイトジャンルと併せて紹介

この記事のポイント

売れなサイトには複数の共通点がある。一方、そのポイントを改善すれば売れるサイトになる!

執筆者:和家 智也

サイト売買では日々多くのジャンルのサイトが活発に売買されていますが、中にはいつまでも買い手が付かない「売れないサイト」があります。サイト売買をスムーズに進めるためには、「売れるサイト」だけでなく「売れないサイト」の傾向も掴んでおきましょう。
そこで本記事では、売れないサイトの特徴について解説していきます。ぜひサイトを売却する際の参考にしてください。

サイト売買で売れないサイトの7つの特徴

サイト売買でなかなか買い手が付かない売れないサイトには、いくつかの共通する特徴があります。あらかじめ売れないサイトの特徴を押さえておくことで、売却に向けたサイト運営に役立てましょう。ここでは、7つの特徴について詳しく解説していきます。

(1)サイトが収益化されていない

売れないサイトの特徴として、収益化ができていないことが挙げられます。

買い手としては、「より手っ取り早く収益を得たい」という狙いがあるため、すでに収益化に成功しているサイトやネットショップ、AmazonやSNSアカウントを中心に案件を選定していきます。収益化できていないサイトは、買い手側が購入後に収益化まで進める労力がかかることから、どうしても敬遠される傾向にあるのです。
また、買い手がついたとしても、提示している価格より安値での売買を交渉されるケースもみられます。

(2)サイト運用の属人性が高すぎる

サイト運用の属人性が高すぎるのも売れないサイトの特徴です。

サイト売買の買い手側は、「購入後に同じように運用することが可能か」という点を見定めています。そのため、あまりに属人性の高いサイトはいくら魅力的なサイトであっても、「運用に再現性がない」と判断し、購入を断念してしまうのです。

ただし、属人性が高いサイトでも「購入後に一定期間のフォローがある」「運用マニュアルが作成されている」といったサイトであれば、買い手が一考する要因となります。

(3)サイト売買の相場価格よりも極端に高い

相場価格からかけ離れた価格で売りに出されているサイトも、買い手側から敬遠される要因です。

例えば日用品の買い物でも、耐久消費財を購入する際でも、相場よりも極端に高い商品は避ける人が多いのではないでしょうか。「何か他の商品にはない特徴があるのかな」と考える人もいるかもしれませんが、買い手としてはなるべく相場に適した価格で買い物をしたいと考えます。

サイト売買の売り手側は、思い入れのあるサイト・ECサイト・SNSアカウントを安く売却したくない気持ちもあるでしょう。しかし、相場とかけ離れた価格で売りに出すことで、かえって買い手側との価格交渉が生じるなど、結果として成約までに時間がかかってしまいます。

サイト売買をよりスムーズに進めるためにも、初めから適正な価格で売りに出すことが大切です。

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(4)ジャンルの専門性が高すぎる

属人性と類似しますが、ジャンルの専門が高すぎるサイトも購入されにくくなります。

他のサイトと差別化が図られている点は重要ではあるものの、あまりに専門性が高すぎるジャンルはユーザーのニーズも期待できません。例えば、特定のアイドルグループの応援サイトやマイナーな漫画情報サイトなどがその例です。興味や知識がなければ買い手側も購入後に同程度のクオリティを保つことが難しいため、購入を敬遠する要因となります。

SNSアカウントやアプリなどの場合も同様で、あまりにニッチすぎるジャンルは買い手側から避けられる傾向にあります。

(5)事前情報が少なすぎる

公開している事前情報があまりに少ないサイトも、売れないサイトの特徴です。

サイト売買は仲介業者を通じて売買されることが一般的ですが、「月間収益やPV数が公開されていない」というサイトは買い手側が購入の判断がつけられません。例えば、パソコンを購入するときに、機能やスペックが全く分からないものを購入したいとは思わないでしょう。それと同様に、サイト売買でもなるべく詳細にサイトの情報を公開することが、買い手の興味を引くための近道となります。

特に直近の収益状況やアクセス数などは、できるだけ明確に開示することが大切です。

(6)サイト運用の工数がかかりすぎる

運用に工数がかかりすぎるサイトも、売れないサイトの特徴です。

サイト購入を検討している買い手側の中には、「副業としてサイト運営で収入を得たい」「日々の隙間時間でSNS運営をしたい」という個人も多くいます。こういったケースでは、「サイト運営に手間がかからない」「工数が少なく再現性がある」といった点がニーズの中心です。

例えば、最近ではYouTubeの切り抜き動画などが視聴者の人気を集めていますが、1人でアカウント運用しようとすると情報収集から動画編集まで相当の労力がかかってしまいます。そのため、運用の簡潔さや工数の少なさを求める人からは敬遠されてしまうのです。

ただし、この場合でも「動画編集の外注先をそのまま引き継げる」といった強みがあれば、すぐに買い手がつく可能性があります。

(7)事前情報が誤っている

最後は購入直前まで進みながらも結局は売却が成立されないサイトの特徴です。

月間収益やPV数が実際の数字と異なっている場合、成約直前まで交渉が進んでいても破談になるケースがあります。仮にサイトの情報を水増しして申告しても、サイト売買では必ず「デューデリジェンス」という過程を踏んでサイト情報の事実確認が行われます。そこで虚偽の情報、意図的でなくても買い手に大きな誤解を与える情報が発覚すれば、一気に商談が白紙に戻ってしまうのです。

売り手としては「より高値で売却したい」という思いがあるかもしれませんが、虚偽の情報を開示すると、かえって買い手の信頼を失ってしまいます。特に収益に直結する情報については、正確な情報を伝えることが大切です。

サイト売買で人気の高いジャンル

サイト売買では様々なジャンルのサイトが売買されていますが、特に活発に取引が行われているジャンルがあります。ここでは、サイト売買で人気の高い3つのジャンルを紹介しましょう。

(1)アフィリエイトサイト

アフィリエイトサイトは、サイト運営が引き継ぎやすい点から活発に売買が行われています。商材の種類によっては高い専門性が求められることもないため、運営のリソース確保に困るケースも少ないといえます。

特に、既にSEOで成果が出ていたり、収益化に成功していたりする場合は高値で売却されることも珍しくありません。

(2)SNSアカウント

最近では、SNSアカウントの売買も人気を集めています。サイト運営に経験がない人でもSNSの運営であればチャレンジしやすい点や、マネタイズ方法も多様化している点から、売り手・買い手どちらも増加傾向にあります。

これまではInstagramのアカウントを中心に売買されていましたが、最近ではTikTokやYouTubeのアカウント売買も増加しており、特に注目を集めているジャンルのひとつです。

(3)ECサイト

ECサイトもサイト売買で人気の高いジャンルです。実際にユーザーへ商品を販売するECサイトは、一定の運営知識が求められる分野ではあるものの、EC市場の拡大を受けてサイト売買も活発に行われるようになりました。

「サイト引継ぎに一定のレベルが求められる」という買い手側の事情も踏まえたうえで、「一定期間サイト運営のフォローを行う」「在庫や仕入れ先も一緒に引き継ぐ」といった付加価値をつけることで、さらに売却しやすくなる可能性があります。

まとめ

本記事では、サイト売買で売れないサイトの特徴を解説してきました。
売れないサイトには「収益化されていない」「属人性が高すぎる」といったいくつかの共通点があります。将来的にサイトの売却を検討している方は、この点を意識して運営サイトの改善に役立てましょう。

執筆著者 和家智也(わけともや)

執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事

筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる