サイト売買コラム
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Webメディア売却のメリットとは? 高値で売却するポイント紹介
この記事のポイント
Webメディアの売却可能性。個人が運営するサイトが上場会社に高値で売却されたケースも数多くある!
2023.04.27
執筆者:和家 智也
近年、企業・個人が運営するWebメディアが売却されるケースが増加しています。中には、サイトの売却を最終目標に設定する人もいるほどです。Webメディアを売却することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、Webメディアを売却するメリットや、実際の売却事例について紹介していきます。高値で売却するための方法も紹介しますので、ぜひWebメディアを売却する際の参考にしてみてください。
Webメディアとは
Webメディアとは、インターネット上で情報発信を行うメディアのことです。ブログや情報サイト、ニュースサイトなどの形式があり、「オウンドメディア」と呼ばれることもあります。
従来、Webメディアは0から立ち上げて構築することが一般的でしたが、近年はすでに構築されたものを売買するケースも活発化してきました。中には高値で売買される例もあり、売却することを最終目標にWebメディアを運営する人も多く見られます。
Webメディアを売却する3つのメリット
Webメディアを売却することには、主に次の3つのメリットが挙げられます。
・まとまった金額を得られる ・別の事業に注力できる ・Webメディアを拡大できる |
それぞれくわしく解説していきます。
(1)まとまった金額を得られる
Webメディアを売却すると、売り手側はまとまった資金を得られるメリットがあります。
売買の金額はケースによって異なるものの、一般的には「サイトの月間営業利益の1~3年分」が相場価格といわれています。メディアコンテンツの質や月間PV数、メディアのジャンルによっては、自分の想定より高値で売却されることも珍しくありません。
(2)別の事業に注力できる
Webメディアの運営には、情報の更新やデザインの見直し、メンテナンスなど一定のリソースが必要となります。メディアの規模によっては、「運営業務だけで日々のリソースが埋まってしまう」ということもあるでしょう。
しかしWebメディアを売却すれば、そうした手間からも解放されるため、空いた時間を他の事業に充てることが可能となります。複数の事業を抱えている企業では、他の事業に集中できるようになることで、これまで伸び悩んでいた分野が急成長することもあるかもしれません。
また、売買で得た資金をもとに新規事業を立ち上げることもできるので、「新規事業の構想があるけど、そのための資金とリソースがない」という人・企業は、既存のWebメディアの売却を検討してみるとよいでしょう。
(3)Webメディアを拡大できる
Webメディアを売却することで、さらにメディア規模の拡大を狙えるケースがあります。
たとえば、Webメディアを売却して別会社の傘下に入る場合、親会社の事業とのシナジー効果で新規顧客を獲得できる期待があります。
「この先の成長に限界を感じている」、「自分の力だけではこれ以上の成長が見込めない」という場合は、売却によって新たな事業戦略を立てることもひとつの方法です。
売却によって自分の手を離れたとしても、さらにメディアが拡大していくとなれば、運営者としてそれほど嬉しいことはないでしょう。
Webメディアの売却事例
近年、Webメディアの売買はますます活発に行われており、特に大手企業間の売買では数億円規模の取引になることも珍しくありません。
ここからは、実際に行われたWebメディアの売却事例を紹介していきましょう。
◇株式会社ismが株式譲渡により株式会社PR TIMESの完全子会社に
プレスリリースの配信サービスを手掛ける株式会社PR TIMESは、2020年9月に株式会社ismを完全子会社化することを発表しました。
株式会社ismは、Webメディア制作や企業のPR支援などを手掛けており、今回の子会社化によってコンテンツ制作体制の強化やPRパートナー事業の強化が行われる期待があります。前述の通り、別会社の傘下に入ることでシナジー効果が見込まれる代表的な例だといえるでしょう。
◇メルカリ子会社のマイケルが株式譲渡により株式会社イードの完全子会社に
メルカリの子会社であるマイケル株式会社は、2020年5月に株式会社イードの完全子会社になることを発表しました。
マイケル株式会社は自動車好きのためのコミュニティ「CARTUNE」の運営を手掛けており、アプリとWebサイトのユーザーは合計300万人以上いるとされています。
買い手である株式会社イードは自動車関連のメディアを複数運営していることから、今回の買収によって一定のシナジー効果が期待されています。
◇株式会社プルチーノが漫画紹介メディア「漫画大陸」の事業を売却
2020年11月、株式会社プルチーノは漫画紹介メディア「漫画大陸」の事業を株式会社リアルワールドへ譲渡することを発表しました。
株式会社リアルワールドは、クラウドソーシングサービスの「CROWD」や「CROWDビジネス」を運営していることから、クラウドソーシングによって構築された記事制作ノウハウが活かされる期待があります。
また、売り手サイドの株式会社プルチーノにとっても、SEOやコンサルティング、広告運用など他の事業に集中できるようになるメリットがあります。
Webメディアを高く売却する5つの価格アップ法
先に紹介した売却事例はどれも大手企業による買収のため、「自分のWebメディアには無縁だ」と感じる人もいるかもしれません。しかし、メディアの成長性や需要によっては、大手企業からの買収や、高値での売却を狙うことも不可能ではありません。
ここからは、Webメディアを高く売却するためのポイントについて紹介していきましょう。
(1)専門家による監修を受けている
近年のSEOでは記事の権威性が重視されており、「誰が書いているか」といった点も評価を受けています。
専門的な分野のWebメディアであれば、その業界で知見を持つ人に監修してもらっているかも他のメディアと差別化を図る重要なポイントです。きちんと専門家による監修を受けており、コンテンツとしての質が高いWebメディアは、需要によっては高値で売却されることも十分考えられます。
(2)安定した流入を獲得できている
Webメディアへの集客状況も大切なポイントです。
年間を通して安定した流入があるメディアは、買い手側にとって一定の情報拡散力を持った状態でメディア運営をスタートできるメリットがあります。集客を得るまでのステップを省略できることから、高値で売買されるケースも珍しくありません。
一方、時期や流行によって集客が左右されるWebメディアは、買い手側が事業の見通しを立てづらく、敬遠されてしまう要因になります。Webメディアへの流入が不安定な場合は、まずは集客状況の安定を図ってから売却を行うことも検討してみましょう。
(3)獲得キーワードの質が良い
Webメディアにおけるキーワード選定は、ユーザー獲得につながる重要な点です。
Webメディアの売買では、「収益性の高いキーワードや検索ボリュームのあるキーワードで高い順位を獲得できているか」という点も大きなポイントになります。上位表示されている記事が複数あると、買い手側は「今後も一定の流入が見込める」と判断しやすくなるためです。
一方ロングテールの場合は、いくら上位表示を獲得していても、ユーザー獲得に繋がっていなければ、買い手側から高い評価を受けるのは難しいでしょう。なかなかWebメディアの成果が出ていない場合は、キーワード選定から見直してみるとよいかもしれません。
(4)サイトのデザイン性が高い
Webメディアの売買では、サイトのデザイン性も評価を受けるポイントです。
サイトのデザイン性や使い勝手が乏しいと、ユーザーが早期離脱してしまう原因になります。読みにくさを感じるデザインや、ユーザー層に適さないデザインの場合、買い手側も良い印象は受けません。
華美なデザインにする必要はありませんが、ユーザー目線に立って工夫を凝らすことを意識するとよいでしょう。
(5)Webメディアに付随したSNSアカウントがある
最近では、SNSアカウントとの連携も重視されています。
Webメディア単独の運営でなく、SNSアカウントと連携して情報発信をしているサイトは、SNSからの流入を期待できるメリットがあります。Webメディア単独の場合に比べて、情報の拡散能力も上がるため、売却時に買い手側から評価を受けやすいポイントです。
特に、一定数のフォロワーを獲得していると、さらに買い手側から高い評価を受けられる期待があります。
Webメディアの無料査定
ここまでWebメディアの売却事例や、高値で売却するポイントを紹介してきました。
自分のメディアの売却を検討するとき、最も気になるのは「いくらで売却できるのだろう」という売却金額です。記事内にて、Webメディアの売買は「サイトの月間営業利益の1~3年分」が相場価格とお伝えしましたが、価格の幅が広くいまいちピンとこない人も多いでしょう。
サイトレードでは、Webメディアの無料査定サービスを提供しております。無料査定では、御社のサイトの価値を無料かつ自動でオンライン査定いたします。
「運営年数」「月間売上高」「月間PV数」などの簡単な項目を入力いただくと、すぐに査定価格がメールアドレス宛てに送信される手軽なサービスです。
まずは、無料査定で現在のサイト価値を確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
Webメディアの売却は、「まとまった金額を得られる」、「Webメディアを拡大できる」などいくつものメリットがあります。本記事で紹介したような大手企業による買収だけでなく、個人が運営するサイトが売却されたケースも数多くあり、高値で売却することも不可能ではありません。ぜひWebメディアを運営するゴールとして、売却を検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者: M&Aアドバイザー 和家 智也(わけ ともや)
株式会社ゼスタス 代表取締役/早稲田M&Aパートナーズ株式会社 代表取締役
一般社団法人日本サイトM&A協会 代表理事
筑波大学第三学群基礎工学類卒業。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修士課程修了(MBA)。2006年、サイトM&A専門仲介事業『サイトレード』を立ち上げる。2017年、第11回M&Aフォーラム賞 選考委員会特別賞を受賞。著書『M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる』
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